20歳と4か月弱だが,参議院選挙の投票権がなかった
一昨日は参議院選挙で,世の中はその話題で持ちきりだった.
3月末頃が誕生日の僕は,初めて国政選挙に参加できると楽しみにしていた.(同級生のほとんどは昨年末の衆議院選挙に対して投票権を持っていた.)
しかし,悲劇は起きたのである.
若干の覚え間違いがあるかも知れないが,事の顛末を記す.
1.現住所での投票権
正直に言って,こちらの方はあまり期待していなかった.僕は進学の関係上(高専は20歳で卒業)引っ越す必要があったし,引っ越したのは学校が始まるかなりギリギリの事だったので,住民票を移すのも少し遅かった.
選挙がある場合に自治体の選挙人名簿が臨時で更新されるらしいが,それに記載されるには3か月以上住民票が移っていないことが条件になる.どうやら不正を防止するためにこのような措置が取られているらしい.(立候補者を支持する人間が一時的に住民票を移したりするといったことだろうか)
今回の参議院選挙の告示日が7月3日であり,その3か月前は4月3日である.この日の段階で住民票が現住所にないといけなかったが,正直微妙だなと思っていた.
実際,僕が現住所に住民票を移したのはそれよりちょっとだけ後の事であった.
つまり,僕に現住所での投票権はない.
2.前住所での投票権
前述の制度は高専で習っていて,それなりに覚えていたのでほとんどショックは受けなかった.
その時に授業をしていた先生が「旧住所の転出届を出してから1か月以内に転入届を出さないとどこの自治体にも投票できないことがある」と言っていたので,自分は大丈夫だろうと思っていた.4か月は前の自治体の選挙人名簿に記載が残っているはず.
一昨日,前住所(実家)のある自治体の役所に行って,事情を説明した.
僕「ちょうど3か月ぐらい前に引っ越して,住民票を移したんですけど,ここでの投票権ありますかね?」
役所の人「ちょっと調べてみるので少々お待ちください」
・・・
役所の人「残念ながらあなたの投票権はここにもございません」
僕「....はい?」
事情を詳しく聞くとどうやらこういうことらしい.
- 一般に新成人(成人式は関係なく,単に20歳になった人)が選挙人名簿に記載されるのは3か月に1回の定期更新の時らしい.(もちろん,臨時で記載される場合もあり得る...と思う)
- 僕が誕生日を迎えてからその定期更新があったのは6月1日だったらしい.(これから推測するに,3月1日,6月1日,9月1日,12月1日に定期更新があるっぽい)
- 定期更新の際に選挙人名簿に載るには3か月以上住民票が移っていないことと,当然その自治体に住民票がないといけない
- 6月1日の定期更新の時に当然僕の住民票は前住所に存在しない.
- したがって,選挙人名簿には記載されず,前住所における僕の投票権は存在しない.
3.結論
このケースにおいて,あなたには投票権がない.したがって,あなたが受け取る投票用紙の枚数は0枚である.
4.所感
理解はできるが,納得は全然できていない.
すごく貴重な体験をしたなぁと思う.(悪い意味で.ネタとしてはおいしいのかもしれないが.)
僕は別に特別強固な政治思想があるわけでも,政治や経済,国際情勢に詳しいわけでもない.ただの学生である.しかし知識が少ないなりにも,僕は「将来日本がよい国であれば」と強く願っているし,自分の命が尽きるまでこの国を支える国民の一人でありたいとも思う.
この国の将来を担う立場であるにも関わらず,今回選挙に参加できなかったことがすごく悔しい.
このたびの選挙は若者の投票率を上げるためにさまざまな工夫を行ったり,今まで投票権が認められなかった成人後見人がついている人たちに投票権が与えられるなど画期的なことがあったとのことだが,僕にとってはすべて虚しく響く.
今回の事件(?)で悪い人はどこにもいない.強いてあげるなら制度の問題だろう.実際これ以外のケースにおいても(きちんとした)成人に投票権が存在しない場合があるらしい.
選挙において不正が行われることが決してあってはならないが,本来与えられるべき人に投票権が与えられないこともあってはならないことではないだろうか.
さらには,今回役所のミスで無効票になった票がいくつかあったという.
今後,自国の未来を考えて投票をした人達の努力が徒労とならないことを切に願う.
最後に,今回の騒動を経て僕が胸に刻んだ決意を記してから筆をおきたいと思う.
今後投票だけは絶対にサボらない