【非公式】 日本で行われるICPC地区大会で気をつけたいこと

注意

これはあくまで非公式の文章です。公式のルールやアナウンス、指示と矛盾する場合は、必ずそちらの方に従ってください。

また、この文章は日本で行われるアジア地区予選についてなので、他の国で行われる大会には通用しないと思われます。

これは何?

この記事は、ICPCのOBの私が、日本で行われるICPCアジア地区予選に参加する選手に送るアドバイスです。

練習方法などではなく、アジア地区予選でトラブルに遭う確率を小さくして、競技に全力を投じられるようにするためのものです。

やってはいけないこと

遅刻をする

選手のうち一人でも遅刻すると、失格になる可能性があります。せっかく国内予選を通過したのに、遅刻で失格になっては目も当てられません。

絶対に寝坊をしないようにしましょう。朝に弱い人は、チームメイトと一緒の部屋に泊まるなどの対策を検討しましょう。

受付の終了時間のギリギリに到着しようとするのは、交通の乱れなどに巻き込まれたときに危険です。時間に十分な余裕を持って出発しましょう。

万が一、遅刻や欠席の可能性が生じた場合は、なるべく早くチームメイトと大会運営に連絡をとりましょう。

学生証を忘れる

(大会側から求められている場合は)必ず学生証を持っていきましょう。

学生証を紛失している場合は、なるべく早い行動が必要です。まず、学生証の再発行の手続きをしましょう。 学生証の再発行が大会に間に合わない場合は、在学証明書(英語または日本語)を発行しましょう。

学生証に英語または日本語の名前表記がない場合は、パスポートも要求されることがあります。大会側からの案内をよく確認してください。

学生証が完全に電子化されている場合は、事前に大会側に連絡しておくと、当日の手続きがスムーズになる可能性が高いです。

Tシャツ・名札を忘れる・なくす

大会中は、初日に配布されるTシャツと名札が参加者の証となります。大会中は絶対に忘れたり、無くしたりしないようにしましょう。

ちなみに、私は毎年次のような方法を使っています。

  1. 一日目の夜、寝る前に二日目に着るものをスタックとして積む。
  2. ICPCのTシャツの上に、長袖のTシャツを置く。
  3. 着替えの一番上に名札を置く
  4. 二日目の朝、起きたら名札を身につける
  5. 長袖のTシャツの上から、ICPCのTシャツを着る。
  6. 残りの着替えを着る。

他にも忘れないようにする方法はあると思うので、自分にやりやすい方法をとってください。

通りにくくくしてあるところを通る

通りにくくしてあるということは、通ってほしくないということです。

会場にちょっと頑張ったら通れそうなところ(狭い隙間とか、ちょっと低くテープが張ってあるところとか)があっても、頑張って通らないでください。そこにはとても大事なものが置いてある可能性が高く、それら壊すと大会に参加させてもらえなくなるかもしれません。

これはコンテストが終了したあとにも当てはまります。コンピューター、ディスプレイやネットワーク機器はレンタルか、毎年大事に使っているものです。壊さないでください。どれも安くはないですよね。安いと思う富豪の方は、IISFにお金を寄付してください。お願いします。

触りにくい場所にあるものを触る

触りにくい場所にあるということは、触ってほしくないということです。触らないようにしましょう。

理由は上に同じです。

ケーブルを踏む・触る

ネットワークケーブルや電源の延長ケーブルは踏んだり、触ったりしてはいけません。ケーブルを抜くことは、ルールでも明確に失格の原因として書いてあります。

それらは大会を行うのに大事なもので、断線したり、抜けたりするとコンテストに重大な影響が出ることがあります。

空いている電源にスマートフォンの充電器などを挿すのも、他の電源を誤って抜いてしまう原因になるので禁止です。

スーツケースを持ってくる人は、ケーブルやモールを跨ぐときは持ち上げてください。協力をお願いします。

走る

大会中は絶対に走らないでください。コンテスト中にトイレに行くとき、できるだけ早く行って、席に戻りたいのは痛いほどわかります。

ご存知の通り、運動エネルギーは速さの二乗に比例します。また、走っていると、どうしても足元や周りのことがおろそかになってしまいます。

大きな運動エネルギーをもったあなたが、ケーブルに足を引っ掛けたり、テーブルに当たったりしたら、あなたのチームや他のチームが競技を続行できなくなるかもしれません。

このように、大会中に走ることは危険な行為なので、走っているとスタッフに止められて「Do not run. Please walk.」と言われることがあります。こうなると、急ぎすぎたせいで、かえって時間を無駄にしてしまうことになります。

大会中は絶対に歩いてください。

やっておいた方がいいこと

disqualifyの意味を知っておく

ICPCの全選手に、一つだけ英単語を覚えさせることができるなら、私はこの単語を選びます。

「失格にする」という意味です。受動態のdisqualifiedという形でも使われます。たとえば、

..., or we will disqualify you.

とか

..., or you will be disqualified.

のようなかんじで使われます。...の指示に従わなければ失格にするぞという意味です。

スタッフからこの語が発せられたら、その人の言う事は絶対に聞いて下さい。

アナウンスではなく、スタッフから直接この言葉が発せられた場合は、かなりまずい状況にあると思ってください。

英会話をする心の準備

ICPCの地区大会の言語は基本的に英語です。大会によっては、別の言語のサポートも用意されていることがあるようですが、日本での大会は英語のみが使用されます。

これは、選手とスタッフのコミュニケーションがすべて英語で行われるということです。

一朝一夕で英会話能力がどうにかなるわけではありませんが、スタッフから英語で話しかけられて戸惑わないように心の準備はしておきましょう。

紙の英和辞書を持ってくる

(今までの)日本の地区大会では持ち込みできる紙の枚数に制限がありません。

英語によほどの自信がある場合を除き、紙の英和辞書をお守りに持っていきましょう。(お守りにしては大きいですが)

服装

日本での地区大会は秋から冬の間に行われています。

大会へ行く前に当日の天気予報を確認し、どのような服装で行くか考えておきましょう。

時期によっては過剰かもしれませんが、私のおすすめセットは以下です。

  • 長袖のTシャツ
  • 前の開くパーカーまたはジャケット
  • コート
  • (二日目)Tシャツ
  • (二日目)名札

長袖のTシャツの上にICPCのTシャツを着ることを想定しているセットです。私の長袖Tシャツのおすすめはヒートテックです。

パーカーやトレーナーを着ていく場合は、前がボタンやファスナーで開くものを強くおすすめします。理由は会場の出入りの際に、Tシャツの柄を確認されることがあるからです。よほど寒くなければ、パーカーの前は開きっぱなしか、軽くとめてある程度がおすすめです。

競技環境の確認

コンテスト前に競技環境の仮想マシンのイメージが公開されるはずなので、可能であれば試しておきましょう。

エディタやIDEは何が利用できて、どのように設定すれば、思う通りに動くかを確認しておくことをおすすめします。当日は外部のネットワークに接続できないことを忘れないように。

また、近年は基本的に英語(US)配列のキーボードを使っていると思うので、慣れていない人は注意しましょう。

最後に

以上、私が競技プログラミングスキル以外で大切だと思ったことをまとめました。

みなさんがアジア地区予選で、トラブルなく、全力を出せることを祈っています。